2013年8月11日

ウマい米を食いたいなら、米の表情をじっと見てみる

魚沼産十日町コシヒカリは、確かにブランド米で、特に東京の奴らは、
それだけで「スゴイ!」と思って、有り難がって食うわけだけど、
魚沼育ちの俺としては、せっかく農家の人が汗水たらしてつくった米を
ファンション的に食ってると、ほんとの米のウマさは、感じられないと思うね。

やっぱり、気取らずに力強く食って欲しいわけだよ。
米どころの人は、みんなそうやってる。
それが一番ウマい食い方。

で、俺は、子どもの頃から自分の母親とか周りの大人が米と付き合う様子を
見てきたわけだけど、やっぱり一流の米の産地の人間は、ここが違うってのがあるんだよね。

飯とおかずの組み合わせ、炊き方、ウマく食うテクニックもあるんだけど、
それ以前に、そもそも「米の表情を見る」ところが大切なんだよね。
米の表情を見るんだよ。

白羽毛の米

都会の人間を見ていると、スーパーで買った米袋に書いてある産地を
そのまま鵜呑みにして、そして、炊飯器の取り扱い説明書に書いてある通りに
カップ数と目盛りの水の量だけを気にして、スイッチ押して炊くのが当り前と思ってる。

けど、それは大きな間違いなんだよね。

ウマい米を食いたいなら、米の表情をじっと見てみる。
米と一対一で勝負してみる。

経験のない人は、最初はわからないかも知れないけど、
とにかく米の表情をじっと見てみるところからはじめる。
米粒をちゃんと見てみると、経験のある人間は、水分量とか、
じっと見ているうちに、いろいろわかってくるんだよね。
同じ十日町の米でも、生産者によって、田んぼによって、米はまったく違うからね。
そうして、回数を重ねるうちに、だんだん米のことがわかってくると、
米の表情を見るだけで、今日は水分をこんな感じにとか、
暫く水に浸けてから炊こうとか、いろいろわかってくるんだよ。

そして、米のおかずも、いろいろ試すうちに、これがウマいというのが出てくるね。

なので、ウマい米を食いたけりゃ、いきなりネットやテレビの情報に頼らずに、
自分の目で米の表情をじっと見てみるといいね。

エンテツの米の話

遠藤哲夫(えんどう・てつお) 1943年(昭和18)新潟県六日町(現・南魚沼市)生まれ。庶民の快食を追求するフリーライター。通称“エンテツ”。著書に『汁かけめし快食學』『大衆食堂パラダイス』(ちくま文庫)など。現在、ちくま新書より新刊『大衆めし激動の戦後史―「いいモノ」食ってりゃ幸せか?』が発売中。