2013年12月5日

ウマい米を食いたいなら消費主義にご用心(その2)

本物の食文化を考える上で、
消費者をカネさえ払えば「主人」「王者」「神様」だとおだてあげてきた
消費主義が問題だという話を前回したんだけど。
そうやって「中流気分」を植え付けられた消費者は、
「安けりゃいい!」に集団行動で走りがち。
自分にとって何が大事なのかを見極めて
大事なものを「育てよう」という意識がないからね。

特にここ数年どうかなーと思うのは、
飲食を語る際の「コスパ」って言葉だね。これは問題だよね。
コスパってのは、とにかく数字的に得か損かしか考えないわけで、
ここにも自分が好きな食文化の産地やモノづくりのシステムなど、
大事なものを「育てよう」という意識がないからね。
消費主義は、自分の払ったカネに対する対価でしか、モノゴトを見ない。

魚沼産十日町コシヒカリの田んぼを見ていると、
そういった世界とはまったく違う豊かさであり、価値観なんだよね。

十日町若井さん9

2013年に見学した十日町の田んぼは、
ほとんどのお客さんは直接やりとりしている顧客という形式。
そこのお客さんは「安けりゃいい!」じゃなくて、
長い時間をかけて生産者とつきあっていこうという消費主義とは別の豊かさを
知っている人たちなんだよね。

つくっている人の笑顔を実際に知ると、米もウマく感じるよね。

エンテツの米の話

遠藤哲夫(えんどう・てつお) 1943年(昭和18)新潟県六日町(現・南魚沼市)生まれ。庶民の快食を追求するフリーライター。通称“エンテツ”。著書に『汁かけめし快食學』『大衆食堂パラダイス』(ちくま文庫)など。現在、ちくま新書より新刊『大衆めし激動の戦後史―「いいモノ」食ってりゃ幸せか?』が発売中。